『数字の解釈』 x 『デザイン』 x 『写真』


 



数から意味と意図を読み取る〜事実を言うだけでは価値はない


「データを分析せよと言うと、9割くらいの人は収集したデータから単純に読める事実だけを報告する。しかし、それでは付加価値はゼロ。数字から意味を抽出し、解釈を加えて初めて分析と言えます」。グロービス経営大学院でビジネス定量分析などの科目を教える田久保善彦さんは言う。


 


数から意味と意図を読み取る〜事実を言うだけでは価値はない - 日経ビジネス Associe(アソシエ)


その通りだと思う。あるいは数字を加工して、グラフ化する。これは『作業』であって、『仕事』じゃない。目的は『相手に考えや意見を伝える』ことであって、作ることではない。


 


同じようなことが『デザイン』にも言える。『キレイ』にすることでもなく、『かっこいい』ことでもなく、相手が使い方を間違えず、楽に利用できるのが『いいデザイン』だと思う。それは機能かもしないし、レイアウトかもしれない、あるいは色づかいかもしれない。少なくとも使う立場の人が迷うようなものは決していいデザインとは呼べないのではないか。僕はユニバーサルデザイン的なことをいいたいのではなく、本当に使って欲しい人に向けて考えられたデザインという意味でそう考えている。だから、時には『使いにくい』という意見もあるだろう。それが『使って欲しい人』の意見だったら耳を傾けよう。そうでなければ気にしなければいい。


 


似たような観点で『写真』を見ると面白い。僕は芸術家でもなければ、目が肥えているわけでもないが、『メッセージ』を感じない写真は『いい写真』ではない、と思っている。説明しないと分からない写真は少なくとも僕の中では『没』である。ハービー山口さんの写真が好きなのは、撮った人と撮られた人の気持ちが感じられるところだ。時には人が写っていないけれど、人を感じる写真もある。ロンドンの道路にクルマのタイヤの跡がいくつも残された写真がある(気になる方は写真集で確認してください)。直接、ハービーさんからそのエピソードを聞いたら意外にも予想と同じような話だった。


 


『数字の解釈』、『デザイン』そして『写真』。根っこは一緒で、『何を伝えたい』ということに尽きるのではないか。そこに価値があり、逆にそこにしか価値がない。そんな気持ちで異なる3つが一つに感じたので。