誰にとってプラスなんだろうか?

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HMV、「TSUTAYA」のCCCが買収へ 音楽小売り再編加速 - ITmedia News


 


正直いって理解に苦しむ買収戦略に感じる。ニュースの内容を見ても、CCCはHMVのリコメンドやECの運営を評価した、と書いているけど、本当にそうなのか疑問が残る。まあ、TOLに比べたらHMVのサイトの方が全然いいけど、僕の中でのHMVの価値は逆に店舗なんだよな。あそこでいろいろな試聴盤を物色しながら新しいお気に入りを発掘するのが楽しい。これもそんな1枚。


[Music]「My Favorite Songs」 Karolina Styla 2008-04-24


HMVの店舗の空間は書店で新しい作家を見つける行為に近い。基本的にレコメンドやPOPはあまり参考にせずに、ジャケットやプロデューサを頼りにピックアップして、試聴盤があれば視聴して決める。そのためにもあの空間が必要。逆に対象のタイトルが決まっているならamazonで買っちゃうし。


 


逆に顧客基盤を統合してメリットがあるか、ということを考えてみると僕の中では『?』かな。TSUTAYAを利用していて思うのは、CDにしてもDVDにしても最近のものはそろっているけど、昔のものはほとんどない。考えてみれば、限られたスペースに在庫して在庫回転力で売上を立てるビジネス構造なのでロングテールなラインナップは効率が悪い。そのため自然と『流行モノ』系を並べることになる。そこの利用者はランキングを中心に選択する人や『流行モノ』を押さえる人たちが多いんじゃないのかな。そうすると、中心顧客は違うと思われ、計算上は相乗効果が期待できそうだけど、HMVのファンってTSUTAYAに行かないんじゃないかな。少なくとも、HMVの店頭で(ブランドは残るらしいから)『Tカードはお持ちですか?』って聞かれたら、『ありません』って僕は答えるかな。


 


結局、ユーザにプラスになる気がしないので、amazonの利用率が上がるだけの結果になりそう。そう思うのは僕だけでしょうかね。