雑誌の価値って


今までで一番雑誌を購入していたのはちょうど20年ぐらい前で、おそらく多い月には2万円近く雑誌を買っていた気がする。当時は今のようなネットの環境も無いので、情報ソースとしてはやや趣向性が高いものは雑誌に頼わざるを得ない時代でした。僕に限らず、ボリュームの大小はあるにしても同じような人たちが多かったのではないだろうか。覚えている範囲でいうと、ファッション系で『Popeye』、『anan』、『ミスター・ハイファッション』、『ハイファッション』、クルマは『navi』、変わったところだと文具の雑誌で『B-Tool』、それからコンピュータ系の雑誌も買っていたかな。ビジネス系も『ダイヤモンド』や『東洋経済』なんかもどちらかは買っていたのでそれなりの金額になる。そうそうマンガもビックコミック系を買っていた。当時は実家だったので通勤時間が長く、電車の中では何かしらの雑誌を読むのが習慣になっていた。元々、電車の中で音楽を聴く習慣が無かったので書店やキオスクでほぼ毎日のように何かしらを手にしていた。


逆に今は定期的に購読している雑誌はなく、その時の特集が面白ければ手にするぐらい生活がガラリと変わった。


 


まず雑誌に期待する目的を考えると、


  1. 新聞やニュースと比較して深掘りした情報を得ることができる

  2. 自分の好きな領域あるいは専門的な部分の情報が入手可能

  3. 文字だけではなく、写真や図版を含めて見ることができ、必要な部分はスクラップすることができる

  4. 比較的持ち運びに便利で、場所や時間を問わず、自分の都合で見ることが可能なメディア


のようなものがある。しかし、ネットという環境とiPhoneをはじめとするデバイスのおかげでかなりの部分は代替ができてしまっている。更に電子ブックの流れが加速されている今、より環境は難しくなっていくだろう。


全体を俯瞰する見方をするにはディスプレーよりも紙の方が便利なことは事実である。一方で、デジタルの世界はデバイスもアプリケーションもまだまだ技術的に改善される余地がある。従来のマネタイズの概念を捨てて、ユーザの価値にフィットした選択と価格がマッチしたものだけが残っていけるのだろう。『紙』の方がいいとか、『デジタル』の方が検索できるとか、といった議論ではなく、すべてが揃っている中でユーザが価格、シチュエーション、求めるものの組み合わせでチョイスをする。おそらくWebと雑誌の境目がほぼ無くなって、同じ『コンテンツ』と考えられるようになるのだろう。