懲りすぎて失敗の例 『なぜルパン三世は泥棒なのにヒーローになのか?』 山岸二郎
前作に比べるとちょっと捻りすぎだな。コンセプトをTVのキャラにしてタイトルも目を引くようなものにしたがために、内容もこれに沿うよう書いていて、ちょっと苦しさが見え隠れする。内容はまともなので、設計の失敗だろうな、きっと(本が売れるかどうかはまた別の話)。
儲かっていない会社やお店のポイントはこう書いている。
ライバルとの違いを明確化できていない
ライバルとの違いを明確化したとしても、その違いが、お客さんにとって意味がないものになっている
お客さんにとって意味のある違いを明確化していても、それを告知していない
分かるんだけどね・・・。大方の会社やお店はそれほどユニークなことをしていない気がするんだけど。
後半にUSP(Unique Selling Proposition)という言葉が多用されているんだけど、他の部分の感じと比べると急にマーケティング用語が出てきて違和感がある。もしUSPという言葉が一般用語に近い言葉であれば別だけど、一部のマーケティングを仕事にしている人以外は馴染みがないし、本書を読む層を考えると注釈で説明し、本文で使う言葉は別の方が適切な気がする。ちなみにUSPというのは、『独自の売り』とか『独自の強み』で著者は『他社にない圧倒的な提案』と説明している。ただ、このUSPチェックリストというのは面白かったので書いておこう。
一瞬で理解できるか
ベネフィットを、理解できるか
具体的か 驚きがあるか
興味性があるか
突き抜けているか
欲しくなるか
他社にない利点と理解できるか
独りよがりになっていないか
単なる言葉遊びになっていないか
シンプルか
小学生にも理解できるか
前作が良かっただけに残念。