本当の別れは心で決めるもの『雨よりせつなく』 吉元由美


"雨よりせつなく" (吉元 由美)


昔からANRIの曲が好きで特に作詞:吉元由美 作曲:ANRIの曲は最高の組み合わせだと思っている。たしか『SUMMER FAREWELLS』が最初のコンビだったと記憶している。ANRIの曲の中でも特に好きな曲がいくつかあって、その中の一つが『雨よりせつなく』。作品は『The Beach House』に収められていて、僕のiTunesの中でANRIセレクトプレイリストにも含まれている。その『雨よりせつなく』と同タイトルの本で、詞を書いた吉元由美が小説にしたもの。

"SUMMER FAREWELLS" (杏里)


"The Beach House" (杏里)


この詞と小説はまったく別物で、雨のモチーフは一緒だけどテーマも違う。僕の場合にはどうしてもこの詞が先行してしまったため(好きな曲だから仕方がないんだけど)、最初はどうしても小説の世界に入っていけなかった。吉元由美氏の作品は詞も小説も曖昧な部分が多くて意味を捉えるのが難しい。『人それぞれだから、それぞれの感じ方で・・・』という意味かもしれないけど、映像にはしにくいな、というのが本音。『こういう意味』と決めてしまえばそんなことはないけど、他の人が同じように感じているかどうかは分からないので、あくまでもxxxバージョンでしかない。


小説の方は曖昧な恋の時間を過ごし、なんとなく別れたけど、終わっているようで終わっていない主人公が最後偶然に出会った相手と本当の別れを告げ、新しい恋に向かう、ってストーリー。読んだ後の清涼感と応援したくなる気持ちは共通じゃないかな。主人公と同世代の(つまり30歳ぐらい)女性よりも、もっと上の『恋は過去』になってしまった人に読んで欲しいかな。


そう、この作品は映画にもなったんですね。観ていないので、DVDを借りて観てみることにしよう。観たら、またここに書きますね。


"雨よりせつなく [DVD]" (当摩寿史)