ルパン三世をきっかけに


"LUPIN THE THIRD first tv. DVD-BOX" (バップ)


TV版ルパン三世は今でも好きなものの一つ。中でも、最初のシリーズは万人受けを考えていない作りなので、今でも『見たい』という欲求がある。DVDを借りてきてゆっくり見てみたけど、ストーリーがよくできている。中でも第2話の『魔術師と呼ばれた男』は非常に印象に残っている。パイカルという天才魔術師が作り出した「超硬質液体」の化学式を不二子が盗むだそうとすることに事件は起因する。時代を考えると当たり前なのだが、その化学式は分割されたマイクロフィルムに書かれている。このマイクロフィルムというのが、スパイっぽくていい。ルパンも最初は何の記号か分からなかったが、頭をぶつけた時に各フィルムの映像が合成されて化学式に気づく、と流れ。小型火炎放射器の武器や硬質ガラスを利用した空中歩行など種明かしをしてしまえば些細な部分ではあるが、何もないところからこれらを生み出していることを考えると実はすごいことだと思う。


 


ルパンを苦しめた敵は何人かいるけど、このパイカルは指折りの敵だろうし、最後のシーンを見るとルパンはパイカルに対して尊敬の念すら持っている気がする。この辺の『敵ながらあっぱれ!』という表現がルパン三世の魅力の一つかも知れない。


 


ルパン繋がりでちょっと書くと、僕が最初に長編の作品を読んだのはモーリス・ルブランの『奇巌城』。小学生の2,3年だったと思うけど、当時は全く本を読まない子だったので、この本を読むのも相当に時間が掛かった(時間が掛かった記憶しかない)。読みたくて読んだのではなく、何かを読んで読書感想文を書かなければいけなく、仕方なしにこの本を選んだ。TVのルパン三世が好きだったからで、読んでみて全く違うのにビックリし(当たり前だが)、読み進めることが本当に辛かった。そんなルブランのシリーズも復活したらしいので、数十年振りに読んでみようと思っている。これについてはその時に書こう。


"奇巌城―怪盗ルパン全集 (ポプラ文庫クラシック)" (モーリス ルブラン, 南 洋一郎)


 


そうそう、ルパン三世であれば、こんな本もある。


"ルパン三世はなぜ盗むのか?―250万円の快楽" (豊福 きこう)


著者はものすごい努力というか、研究者だと思うし、この本はまさしく研究成果だと思う。ただし、TVや映画のルパン三世ではなく、劇画のルパン三世を知っている必要があり、読んでみようと考えている人は劇画版もチェックする必要があるので、時間の確保が必要です。