ダイレクトマーケティングをしている担当者の人に是非読んでもらいたい 『ペンだけで30日後に行列をつくるすごい裏ワザ』 山岸二郎


"ペンだけで30日後に行列をつくるすごい裏ワザ" (山岸二郎)


元々、セルフプロジェクト用にタイトル買いしたんだけど、中身的にはマーケティングだったのでこちらに書くことにした。結果的には納得感が高い一冊だった。やっぱり実践したことを元に書いているので、


  1. イデアの落とし込みを数値化している

  2. アクションをした時の評価が必ず必要であると説いている

  3. 評価方法が具体的である


というのが分かりやすい。著者は飲食店(BAR)をベースにマーケティングの具体例を紹介している。このブログでの何度も書いているが、マーケティングには『獲得』と『育成』の2つの目的があり、本書は『育成』にフォーカスしている。著者はマーケティングに掛けられるコストが限られていたため、と書いているが、今のように不況ムードの時には既存資産をどう使っているか、ということを中心に考えるので、参考になる部分は多いだろう。特に獲得コストと育成コストを数値化して比較している点は高く評価すべき点だと思う。

顧客リストの活用は店舗でなくとも企業でも実施している当たり前の方法だが、ここでも分かりやすいポイントを書いている。『商品』を売るのではなく、『コンセプト』を売るのである。こう書いてあるマーケティング本は過去にもあったが、それを具体的に書いているところにこの本の価値がある。リアルもネットもほとんどは『商品』を一生懸命売ろうとしている。ネットはリアルとは違い非対面なので、より『コンセプト』を理解してもらう部分に時間とコストを掛けるべきなのだが、意外とネットの方が『商品の押しつけ』マーケティングが主流である。特にメールはテンプレートや一括送信の大量一括処理をしてスパム扱いされるのもかかわらず、相変わらず『これでもか!』というぐらい続いてくる。本当にこの本を読んで、考え直してもらいたい。

顧客の具体的イメージのところでも賛成である。属性を基準としたクラスタなんてものには意味がなく、本当に『どんな人(顧客)』に『何を』、『どのように』使ってもらうかのイメージができないものはきっと相手にも伝わらないだろう。いや〜、本当にダイレクトマーケティングをしている企業には読んで欲しいな、この本は。