新書でクロスメディア戦略、新しい出版社のアプローチ 「あなたの会社が90日で儲かる！」 神田昌典
"あなたの会社が90日で儲かる!(感情マーケティングでお客をつかむ) (Forest 2545 Shinsyo)" (神田昌典)
この本の存在を知ったのは新聞の5段広告。僕の場合には新聞の広告や電車の中吊り広告が情報源として大きい。元となる本の初版は10年前の作品だが、今でも、いや今だからそこ理解しやすい内容である。そして、購入したかった理由の一番は本書と一緒に音源を提供するというクロスメディア戦略を採っている。実際に音源を聴いてみると、神田氏の声でセミナーでの話のようなものを聴くことができる。過去に本田健氏のセミナーで生の声を聞いたことがあるが、本から得られるもの以上に著者の肉声は響くものがある。フォレスト出版のこの戦略は本当に素晴らしい。
本書は『エモーショナル・マーケティング』という感情に訴える手法を紹介している。最近では消費行動は感情によって左右される、という本が話題になっているが、10年前にそう弾言している本書は貴重な存在である。それぞれの話のサブタイトルも興味深いタイトルが付けられている。
"経済は感情で動く―― はじめての行動経済学" (マッテオ モッテルリーニ)
例えば、
正直者が失敗する理由 その1
「一生懸命頑張れば、売れる。売れないのは、頑張りがたりないからだ」
普通の教育を受けてきた人には非常にショッキングなタイトルである。
『安売りは、バカにやらせておけ』
この話も良かった。割引とは、極めて安直な方法であり、割引をすると割引以外に売る工夫をしなくなる、と言及している。そして、価格を『価値観』で表現しており、
絶対的な価値と、お客が感じる価値
として表現されている。偶然にも、僕が以前のブログで書いた式と同じことを言っている。
じゃ、どうすればその価値を高められるのか、を具体的な例を用いて説明されている。
会社経営者でなくても、すべての人に読んで価値があるスタンダードな本と言ってもいいだろう。
