僕の電車の中での楽しみと『中吊り』広告効果


電車通勤の楽しみと言えば、『中吊り』を見ることである。最近はiPhone片手に電車に乗っていることが多いのでキョロキョロ見ることは無いが、それでも雑誌の紹介広告や文庫の新刊紹介は今でも楽しみにしている。きっとこの『中吊り』の広告効果を計るのは至難の技だと思うが、都市部のある程度『混雑している』電車や地下鉄での効果は高いと想像している。『混雑している』と書いたのは、乗車人数が多い方が広告に接触する人数も多いし、ゆとりがあってほとんどの人がシートに座れる程度であれば、あまり顔を上げて『中吊り』を見ることも少ないだろう、という意味から。逆に混み過ぎていると、その余裕も無くなるので『ほどほど』の混雑が一番効果が高いのかも知れない。そういう意味では、路線によっては意外と効果が違うのかも知れない。

 

広告効果の計算はなかなかやっかいな代物。僕は小田急線、井の頭線、山手線を利用して通勤しているけど、小田急線でとある雑誌に興味を持ったとしても、実際に購入出来るのは一番近くて井の頭線の渋谷駅ホームである。もしかしたら、山手線を降りた駅の売店かも知れないし、会社までの間のコンビニかも知れない。雑誌であれば、その『号』毎の実販売数を把握出来るかも知れないが、記事の内容によるものか、広告によるものか、あるいは何の広告によるものか、は判断がつかないので『売れた』、『売れない』だけの基準になってしまう。文庫に関しても同様で、好きな作家の本が新刊として出されるのかに依存するだろう。

 

もし本気で効果測定をするのであれば、広告にQRコードのようなものと数字の判別コードを付けて、どれだけ検索されたかを一つのKPIにすることが考えられるだろう。まずほとんどの人はケータイを持っている状態で電車の中にいるわけなので、出来る限り簡単な方法でアクセスしてもらい、どれぐらいの感心が寄せられているのかを把握する必要がある。こので重要なのは会員制にしないこと。何でもかんでも会員登録させることで、一部のユーザしか獲得出来ないのは効果測定に意味が無くなるので、会員登録はさせないことがポイントになる。地下鉄など走行中にネットに繋がらない路線の場合には駅での利用を施す工夫が必要だろう。走行中よりも時間のゆとりがないので、若干ターゲットは絞り込まれてしまう可能性が高いが『トルカ』のような機能を利用して簡易にアクセスする方法がいいかも知れない。

 

僕は都市部に於ける交通広告の効果はまだまだ期待できると思っているので、メディアの価値を証明する意味でもこの辺の裏付けを早急にすべきだろうと思っている。おそらく主導で動かないなければいけないのは、広告代理店ではなく、そのメディアを保有している鉄道会社やハウスエージェンシーである。投資は必要かも知れないが、未来の収益のための投資として必要なものだと思うが如何でしょうか。