電子カルテの課題

木曜日ぐらいから風邪らしき症状が出始め、大衆薬の総合感冒薬で凌ごうとした。しかし、金曜日の夕方ぐらいから熱が出始めたため、土曜日の朝一に近所のクリニックにて検診してもらった。風邪の症状でも何軒かの行きつけのクリニックがあり、インフルエンザ問題で手続きが厄介なところを避けて、今回は数年ぶりに訪問したクリニックだった。なぜ数年ぶりと分かったというと、ここは電子カルテで管理されており、前回の検査記録を確認しながら先生と話すことができたからである。
数件あるクリニックの中で電子カルテを採用しているのは本当に一部で、半数以上はまだまだ紙のカルテを利用している。紙のカルテを利用しているクリニックの場合、先生はまず過去の履歴を見ながら今回の状態を確認し、触診や聴診器などを使ってポイントを絞っていく。そのため、患者を接する時間が長めで、先生の判断を話しながらカルテに記載している感じである。
(僕が訪問したクリニックの場合)電子カルテの場合、まず看護師さんが症状のヒアリングをしながらカルテの問診の欄を埋めていき、完了してから先生が実際の診断に入ります。看護師さんが入力した情報をサッと見ているようで、症状のサマリーが先生からあり、再度、確認する形でした。喉のチェックやインフルエンザの検査などを終えて、最終的に判断と投薬の選択。ただ、この状況の時にはほとんどディスプレーに向かって一生懸命という感じでした。少なくとも、前回(4年前)にも電子カルテを利用していたことを考えると、『ちょうっとどうなんだろう』という気持ちもありました。が、問題は先生の慣れやオペレーションではなく、おそらくアプリケーションの作りが悪いことに起因するというのが僕の印象。

まず見た目が紙のカルテっぽい感じになっているものの、オペレーションが煩雑にしかならないような作りになっている。よく見ると、キーボードで入力する場所とマウスを利用する必要があるところが混在し、マウスもラジオボタンとプルダウンがゴチャゴチャになっている。これでは先生の手はキーボードとマウスを交互に利用することになるので、キーボードのタイプミスも多くなる。実際に看護師さんも先生も2倍ぐらいの量のタイプをしていた気がする。
別に入力画面と一覧画面は同じにする必要がないので、入力はミス無く、短時間で入力できる工夫(例えば、Fキーで入力項目を固定することや専用辞書を利用して推測変換の精度を上げるなど)を施すなどオペレーションをシンプルにすることが重要だろう。なぜなら、先生の本業はカルテに入力することではないから。
11al
これは富士通さんの電子カルテの画像(別にこれと同じだった訳ではありませんが)だけど、これを見ただけでオペレーションが煩雑になるのが想像つく。かつてのe-Japanの時の失敗がまだ残っている感じですね。