自分のアウトプットの価値を上げたいと思ったら・・・ 「Webデザイン50の原則」 境祐司

Webデザインに限らず、デザインが価値の重要な部分を占めることがある。僕の仕事も提案書や仕様書、報告書などドキュメントだけが納品物になることが多く、その納品物に於けるデザインは気を遣うポイントでもある。フォーマットはほぼPowerPointになるが、デザインといっても特に凝った絵を多く使用するとかではなく、如何にすっきりとして見えて、伝えるべき内容が誤解されずに伝わるか、という点を意識している。
例えば提案書を例にすると、印刷物として提出することとプロジェクタを利用してプレゼンする両方に耐えられる前提で取り組みようにしている。逆にセミナーなどトークが中心で投影する資料はあくまでも補助的な位置付けの時には文字を少なめにして、図などを中心に構成する。よくセミナーの講演資料をそのまま商談の説明資料にしているケースがあるが、これには違和感がある。そもそも違う目的でデザインされたものを違うシチュエーションで利用されると、そのデザインは全く生きてこない。妙に図が大きかったり、スペースが余り過ぎているものはこの類の可能性が高い。逆に1ページに文字が非常に多いケースもある。これは仕様書などを多く書いているSEに提案書の一部を任せた場合に発生する。仕様書はその性質上、事細かく記載する、一方、提案書は全体の中で必要な内容だけを取捨選択して記載し、見せ方の強弱も必要になるので、明らかに書き方は違ってくるはずである。

そういうこともあって最近はデザイン系の本を立て続けに読んでいるが、尊敬する境祐司さんの新しい本が出たので早速、手に入れた。この本を作成している際のプロセスは境さんのfriendfeedpodcastなどで見たり、聞いたりしてきたので、非常に親近感のある作品であり、一部公開されていたデザインがこういう風に膨らまして展開したんだ、と感心させられるところも多々ある。
この本は5つの各テーマ(文字, 色, 構成, 形, レイアウト)で構成され、それぞれのテーマ毎にポイントが実例を挙げながら紹介されている。実は随分前の境さんのfriendfeedにはこの全体図があったのだが、本書に中には分解されたパーツのみが利用されていて、個人的には全体図もあった方が良かったのではないか、と感じている。

Web Design Theory

境さんのfriendfeedアカウント http://friendfeed.com/monkeyish


少なくともこの本はWebデザインに携わっている人だけではなく、少しでも自分のアウトプットの見た目の価値を上げたいと思っている人には目を通して欲しい(前提として、アウトプットの内容が及第点を超えていること)。