モルトとの出会い

「Makers Mark」 2009-07-18 feel the wind

このブログを書いてからの続きを書いていなかったな・・・ということで、シングルモルトの話を。
ちょうど36歳になる直前に銀座のとある店でモルトをいろいろ教えてもらった。モルトに限らず何でも提供してくれるバーだったが、珍しいモルトをたくさん保有していて、モルトを中心に出してくれる。ちょうど月に1回開催されるという『モルトの会』というものがあるとのことで参加してみた。4種類のモルトを順番に堪能できる機会だったが、オーナーが組み合わせや順番を考慮しながら選択してくれている。普段は提供されない限られたモルトを味わう機会なので、この時に『美味しい』と思っても2度と巡りあわない可能性の方が高い。
この時の4杯目のモルトが僕と同じ歳のモルトで、ウイスキーとしてもかなり年数が経過している36年ものだった。口に含んだ時の香り、後から戻ってくる香り、チェイサーを飲んでも残る香りがそれぞれあり、いつまでも奥行き感のある味だった。正直、本当にショックを受けた。『自分自身がこれほど味わい深い人間か』と何となく哲学的な思いにさせられた1杯だった。この日を境に、『しばらくモルトを勉強してみよう』という気持ちになって、いつでもどこでもモルトを頼むようになった。

多くの人が1度は通るアイラ島モルトに僕もスティックした。中でも『PORT ELLEN』には完成度の高さを見せつけられた。『PORT ELLEN』は既に蒸留所が作るのをやめていたので残っているのは流通しているものと樽の中で寝かされているものしかない。そのため、年々価格は高騰している。このモルトを紹介してくれたのは豪徳寺『PICON』

『PORT ELLEN』は完成された味なので最初に飲んでしまうと次に味わうモルトを探すのは難しい。だから最初は『CAOL ILA』など軽めのモルトを楽しんでからの方がいい。とはいえ、お店で『PORT ELLEN』に巡りあうことも稀なので、見つけた時にはちょっと奮発してでもトライすることをお勧めする。