インタビューって、わけじゃないけど

ずっと書くタイミングを逸していたので、何となく今日のテーマにしました。
9月の末に高校の文化祭があり、今年は創立30周年ということもあり、同窓会として通常の展示とは別に特別展示を実施した。今年プロ野球を引退した小宮山さんのユニフォームやパネル、木戸さんのオリンピックの時のユニフォームや衣装などを借りての展示だった。
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展示はともかく、木戸さんとゆっくり話す時間があったので、そのあたりを簡単にまとめておこう。スケートを始めたきっかけは、すでにいろいろなメディアにて言われている通り、運動が苦手な木戸さんを心配したご両親がスケートを始めさせた、というのは事実のようである。本人も運動は苦手、というくらいだから、スケートも人一倍努力した結果なのかも知れない。
写真の衣装はロシア製とのことで、この辺はいろいろ質問してみたところ。まず値段から。この衣装で$1000ぐらいで、ロシアだから$1000ぐらいでできるらしいが、日本で作ったら相当な金額になるらしい。しかも値段だけではなく、着心地とか、動いた時の感じはロシアの職人の手には敵わないらしい。ソシアルダンスの衣装が作れても、アイスダンスの衣装はやっぱり違うらしく、言葉には表現できないノウハウが縫製に隠されているみたい。スパンコールもすべて手作業。問題は文化の違いで、納期がほとんど守られないこと。でも唯一無二のものなので、頻繁に仕事が中断していないかをチェックしながら完成させる必要があるとのこと。大変なのは、リンクの上だけではないようだ。
現役時代は米国のデラウェア州でトレーニングしていたが、『費用面からも大変じゃなかった』とストレートに聞くと、『トータルコストを考えると、日本に住んでレッスンを受けるよりもリーズナブル』という回答だった。理由は、リンクのコストが非常に安価であること、生活費もかなり押さえされることなど環境面では日本よりもはるかに整っているのでそうなる。実際、レッスンは40分が1クールだそうで、時間よりも早くその日のメニューが終了すると『あと5分ある』とレッスンフィーを無駄にしなかった、とのこと。
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スケート靴は特別なものを使わずに、既製品を使用していた。スケート靴も個体差があり、微妙に合う・合わないがあるらしいが、既製品であればいくらでも取り替えがきく、ということでずっと既製品をチョイスしていた。細かい部分では、フィギアのスケート靴に比べて『ここがこう違う』と説明してくれたが、門外漢の僕には『はぁ〜』と答えるしかなかった。
今は筑波の研究室でマウスと格闘中だそうです。本当に心が澄んでいて、オリンピックに出たことを自慢するわけでもなく、今は『研究生』を全うすることが自分のミッション、というのがよく分かりました。新たな木戸さんに期待かな。