何を見れば時代の変化が分かるか

時代の変化を何かで置き換えて確認することができれば非常に便利だと思うことがある。そういう意味では『ビジネスバッグ』というのはその一つかも知れない、とふと通勤時に思った。
最近、『アタッシュケース』ってみないな・・・と思っていた。まだ一部にはゼロハリファンがいるので全く見ない訳ではないけど、かつての営業マンの象徴でもあった『アタッシュケース』は過去のものになっている。もう少し近い時代と比較すると、PCを入れられる黒のナイロン製バッグも一時期よりも減ってきている気がする。いろいろ理由の仮説は考えられるが、

  • PCの小型化
  • セキュリティ観点から多くの企業でPCの持ち出し禁止
  • iPhoneなどPC以外のデバイスによる代用

などが考えられる。またクールビスが始まったぐらいからビジネス上の服装が必ずしもスーツでないケースが増えてきている。そのため男性ビジネスバッグも『メッセンジャーバッグ』や『トートバッグ』を利用している人たちが増えてきている感じがする。『メッセンジャーバッグ』で言えば、都心では自転車通勤の比率も上がっているようなので、そういった現象も貢献しているのだろう。
こういった時代の変化によって新たにマーケットが広がってくるものもあれば、逆に衰退していくものもある。男性のスーツの市場は後者で、ユニクロをはじめとする低価格なカジュアル商品は時代の後押しもあって次々とブランドが出てきている。
何か変化が起きる時には複数の条件が同時に動くケースか、あるいは対象となるものが臨界点に達した場合に発生するように思える。例えば、上記のバッグにしても、バッグそのものに対するニーズというよりも、クールビス、エコ、デフレなどの複数の要素が同時に動き出した結果であり、PCのミニノートなどはそれぞれのパーツやOSが臨界点を超えて低価格になったためにケータイと変わらない価格を実現し、セカンドマシンや今までPCを持っていなかった層にもリーチすることができた。
できれば変化はするものの必ず存在し、定点観測すれば時代の変化が分かるものを選択したいところである。そういう意味では『ビジネスバッグ』というものはそれに近しいものではないだろうか。