厳しい現実の中 〜大道芸のパフォーマンスを見て思った〜

昨日、井の頭公園で大道芸のパフォーマンスを見てから2つのことが気になっている。1つは彼らの生活は成り立つのだろうか、ということ。もう一つは今後のキャリアアップのチャネルがあるのかどうか、ということ。
例えば、40人の観客の前でパフォーマンスを行い、その後に対価をもらうとして考えるとだいたい\500 x 40人ぐらいとして、\20,000。1日に3ステージこなし、月に6日稼働(天気の悪い日はできないので)して\360,000。交通費や材料費などを考えると決して大きな収集ではない。当然、練習時にも材料を消費するパフォーマンスもあるし、手元に残るのは思いの外、少ないのではないだろうか。ちょっとネットで調べたらこんなサイトを見つけた。
東京都の文化政策
これは東京都が支援しているものなので他の地域は分からないが、地方はもっと厳しいのだろう。この『ヘブン』という東京都の支援プログラムはレギュレーションは分からないが、一定の基準をクリアすると東京都の公認(?)が取れ、公園など問題にならない場所でパフォーマンスを行うことができること、プロダクションではないけれども問い合わせに対して紹介することもあるようだ。ちょっとでも仕事のきっかけになるといいな、と思った。

2つ目のキャリアアップに関しては正直、今後は厳しい現実があるような気がする。過去に於いてメジャーになるためにはTVというメディアに露出して知名度を上げる手段があったが、TVそのもののメディアパワーが小さくなっていること、TVだと大道芸の醍醐味であるライブ感、アドリブ感が失われ、本当の良さが伝わらず、結局は小規模向けのパフォーマンスでしかその価値を提供することが難しい、という表現上の課題がある。一方、TVだけではなく、メディアが多様化していること、多チャンネル化していることは、もしかしたら追い風かもしれない。以前は企業の慰安旅行の余興とか、イベントのゲストというチャンスもあったかも知れないが今はその数もかなり減少していることだろう。可能性としては、クラブとか小さめの箱でのイベントを比較的早い時間に行うとか、隙間の時間/空間を利用して両者の有効性をマッチさせることがあるかも知れない。それでも現実は厳しいだろうが・・・・。
ネットがどれだけ普及してもライブでしか味わえないものがあり、このライブを支えている人たちが陽の目を見る場ができることを願う。