次なる戦略 マクドナルドの新かざすアプリ

「かざすクーポン」「iD」「Edy」の全国導入が完了、「かざす会員証」も開始――マクドナルド ITmedia
「かざすクーポン」・かざしてクレジット「iD」の全国導入を完了 マクドナルド ニュースリリース

マクドナルドの「かざすクーポン」が新しくなりました。これは単にアプリが新しくなっただけではなく、首都圏を中心に展開されていたかざす対応が全国規模になり、全国でかざすアプリを使ったプロモーションが可能になることを意味する。表面的には「見せるクーポン」と変わらない(クーポンの価格は一緒)が意味は全然違う。
まずアプリの感じはこんな感じで、
MCDアプリ_TOP
メニューを選択するとクーポンだけのアプリから完全に脱している。
MCDアプリ_MENU
クーポンの他には9月から始まるスタンプカード機能を実装しており、一般的にはポイント制度と同じようなサービスが提供されることと想像される。それからかざす会員証として利用できる、ということを考えると「マクドナルドの会員」という形を採っていくようだ。これはコカ・コーラパークのように自社でメディアを持つことと同義語になり、マクドナルドのプロモーション力を加速させることになるはずである。
もう一つ違う見方をすると、ケータイのIDを利用することで購入者のユニーク性を確認出来る点である。これは社長の原田さんが提唱している「来客数x来店頻度」という構造をファクトで確認できる(つまり経営指標として定点観測できる)ことに繋がる。これはまでは来客数はカウントできるものの、来店頻度を確認する手段がなかった。そこをケータイアプリで実現するわけである。全国に読み取るためのリーダーライターを導入するコストは相当な金額に上ると思われるが、これによって得られるメリットは想像以上のものがありそうである。使われるクーポンの種類、来店頻度、時間などを組み合わせて分析すれば、有効なセグメントに対して有効なプロモーションをし、無駄なくセールスに繋げることが可能になってくる。これまでのマス向けのプロモーションの場合には、年齢、地域など属性情報をベースにした対策しかできなかったが、かざすの情報を有効的に利用することで、年齢や地域を問わず、その人の行動情報からほぼOne to Oneにアプローチが可能になる。つまり、ネット上で展開されているレコメンドをリアルでできることを意味する。おそらく同業他社だけではなく、外食産業ならびに流通業のいろいろな会社が注目している部分だと思うが、他社が検討→導入準備→導入の時には勝負がついている状態になりそうな気がする。なぜかと言えば、多くの人は同じようなサービスを複数持ちたいとは思わないからだ。さあ、仮説はどういう結果になるだろうか。