「面白い」と感じたら大人ですね 「カットグラス」 白川道
- 作者: 白川道
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2001/07
- メディア: 文庫
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どの作品も違うモチーフで描かれていて、登場する「男」も「女」も本当に魅力的である。最近よく言われる「草食系」とか「肉食系」とかの部類ではなく、「男性」、「女性」でもない。やはり感じで「男」、「女」が一番しっくりくる。
「アメリカン・ルーレット」
ロシアン・ルーレットの逆で、勝者が掛金を総取りできるゲーム。勝負事の中でも気持ちと時間軸の中の気持ち。気持ちの勝ち負けじゃなく、納得できるかどうかが一番大事な部分。
「イヴの贈り物」
最後の願いと最後の贈り物。「法」というルールの向こう側とこっち側。人の気持ちの中にはその線はない。
「カットグラス」
親友との約束。妹との約束。約束を守ることの苦しさ、辛さ。最後にはカットグラスで答えを教えてくれ。
「浜のリリー」
ただの悲しいラブストーリーだったら他の作品を読んでください。大人にしか分からない、共感が得られます。
「星が降る」
新潮文庫はこの作品がタイトル名になりました。血の繋がらない兄弟の結末はどう思いますか。
何か琴線に引っ掛かる感じがするならば、きっと満足してもらえると思います。