「バレエ漬け」 草刈民代

バレエ漬け (幻冬舎文庫)

バレエ漬け (幻冬舎文庫)

書店の店頭で中身も見ずに手にしてレジにならぶ。数冊に1冊ぐらいの割合でこんな買い方をした本がある。この本もそうだ。別に内容を期待していたわけではなく、いつだったか幻冬舎の社長の見城さんの講演を聞く機会があり、映画「Shall we ダンス?」の主役は当初、草刈民代ではなかった、というエピソードが記憶にあり、それだけの理由で手にした。彼女自身のことはほとんど知識が無いし、バレエそのものもよく分からない。
本書に書かれた彼女の言葉を借りれば、性格的は何でも長続きしない性格なんだそうだ。しかしバレエだけは小学校二年生から今年の春の引退までそれそこ30年以上も続けた訳だから、余程、水が合ったというか、運命の巡り合わせだったのかも知れない。
僕の子供の頃も女の子はバレエを習う子がいて、今では結構な数の女の子が一度は習ったことがあるのでないだろうか。ちなみに僕は子供の頃から今まで「習い事」は珠算しかしたことがない。
この本を読むと、草刈さんはまず「憧れ」からスタートして、これがロールモデルになり、そこに向かって一直線な感じである。その途中ではバレエ以外の課題もたくさんあるはずなのに、それは大きな問題として捉えていない。例えば、ロシアやヨーロッパに行くにも言葉の問題や習慣の課題は多々あったと思うが、それぞれのバレエを身につけること、憧れのコーチに指導してもらうことが優先され、言葉の問題もいつの間にか克服している気がする。イメージを伝える、指導を受けることを考えると相当なコミュニケーション能力が必要と思う。
僕は彼女がどれぐらいすごいか分からないけど、文章から見える等身大の彼女のイメージを考えると「お会いしたら魅力的だろう」ということが容易に想像つく。きっとバレエを引いても魅力的に違いない。