「私立探偵・麻生龍太郎」 柴田よしき
- 作者: 柴田よしき,.
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2009/02/28
- メディア: 単行本
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普段の生活でもある一面を捉えて「あの人はこういう人だ」とラベルを貼って説明ことがしばしばあるが、実際には人それぞれいろいろな面を持っており、その人にはその一面しか表に出さないケースもある。だから特別な人でなくても、いろいろな角度からフォーカスを当てるとまるで違う人に思えるようなエピソードも出てくる。
麻生龍太郎は警察官時代から「石橋の龍」と呼ばれるくらい慎重、かつ理詰めで操作にあたる性格だった。私立探偵になった今でもそれは変わらず、彼を頼ってくるかつての仲間は「なぜ敢えて自分に連絡してきたのか」と客観的な視点を常に持った形で考え、そして人に接する。警察官時代、自分一人「本当にそうなのだろうか」という疑問を持ち、自分なりの仮説を立て、検証して、最後には本物の犯人にたどり着く。山内練と距離が近くなってから、生きることへの関心も薄れて、余計にその客観性は増したのかも知れない。
また改めてRIKOシリーズを読んで見るもの良いかも知れない。