「立命館小学校メソッド」 深谷圭助

立命館小学校メソッド (宝島社文庫)

立命館小学校メソッド (宝島社文庫)

この本で響いたキーワードは『「学ぶエンジン」にいかに火を点けるか』の一言につきる。実際の方法として、「辞書引き学習法」などが現実のどう影響を及ぼすかを含めて紹介されていくわけだが、それよりも自分自身で「学ぶ」ということに取り組めるか、ということが重要なポイントだと思う。
会社のメンバーと一緒に仕事していて何となく気になっていた点もこの1点に集約されていく気がする。最悪なのは指示が無ければ動けない状態だが、さすがにそこまでのケースは少ないものの、考えていろいろ手は動いているものの自分自身の知識の範囲でしか考えないため、小さな枠の中で考えを巡らせ、最終的にはループ状態から抜け出せずに時間だけが過ぎてしまうケースが見受けられる。僕らの仕事は納期があり、時間は有限のものなので如何に効率を上げ、品質を上げられるかがポイントになってくる。
本屋に行けばそれこそ山のようにビジネス書があり、ベストセラーのほとんどは「xxx法」と呼ばれるようなテクニックを紹介したハウツー本の現在形が多くを占める。即効薬だし、分かりやすいし、すぐに試せる、という点は評価できるが、本当に大事なのはその「根っこ」の部分だろう。大人になった今からでは難しい部分ではあるが・・・・・。でもこれから知識を増やしていかなければならない子供たちには必要なものは「テクニック」ではないはずである。方法論は別にして、この本の考え方には賛成だし、僕の子供たちとも共有しながらいろいろ模索してみたい。