サービスの一貫性

先週のUK出張ではいろいろ衝撃的なことを体験したが、その一つがこれ。お世話になった会社の人と一緒に車で食事に出かける際に彼は車に向かって話をし始めた。カーオーディオのボリュームは自然に下がり、代わりに電話の音声が車のスピーカーから聞こえてきた。会話の後に、僕は思わず「どうして電話で話ができるの?」と聞いてしまった。彼は不思議そうに「Bluetoothだよ」と答える。僕もかつてBluetoothを利用したヘッドセットを利用したことがあるので、仕組みも言っていることも理解したが聞きたかったのはそういう技術的なことではなく、なぜヘッドセットではなく、車のカーオーディオと一体になっているか、の方だ。彼はヘッドセットが嫌いだから、カーオーディオに繋いでいる(といってもBluetoothなので無線接続である)と普通に答えた。この普通、というのがポイント。日本でBluetoothのヘッドセットして話していると本当に奇異に見えるし、そもそもかっこいいヘッドセットがない。それよりも特別なことをせずに車とケータイが一体になることが日本では珍しい。Googleで検索しても探さないとなかなか見つからない。
更にこれだけではなく、彼は番号案内に電話し、目指すレストランの電話番号があることをオペレータから聞き、そのままダイレクトダイヤルするか、という質問に「Yes」と答え、そのままレストランに繋がり、予約を入れた。海外では随分以前からオペレータからダイレクトダイヤルするサービスがあるが、既存のサービスと新しい技術(Bluetoothも新しい技術ではないが)を繋いでサービスの一貫性を保っている。これってユーザ目線で見ると自然な形で、今なお日本に存在していないことが不思議である。
日本ではいろいろな技術が生まれるのに、うまくサービスに繋がっていない気がする。いや単発のサービスにはなるのに、ユーザ目線の一貫性にならない。これからの時代はこの辺にまだまだ宝が眠っているんじゃないのかな。