ブックオフオンライン倉庫見学(後編)


仕入れ処理された本たちはカテゴリー毎に分類されてストックされる。カテゴリー毎に分けられた各エリアは「ゾーン」と呼ばれ、文庫、コミック、単行本毎に分けられている。これは分野というよりも本のサイズを基準にした仕分けで、各ラックのスペースを最大限に利用するためにそうしているとのこと。各ラックには住所のようなコードが振られ、各通路は一方通行になっている。非常にユニークだったのが、コミックのような連続ものの場合、同一の場所にストックされているものだと思っていたら、逆にバラバラにストックしていると聞いてちょっと驚いた。これはコミックなど背表紙が同じような場合、間違って違う「巻」をピッキングしないように、という配慮らしい(実際にはシステム的にも何重にもチェックがされている。実際に岡本さんには間違ったオペレーションをしてもらいました。)。
受注情報はカテゴリー毎のピッキング情報の変更され、ゾーン別の用紙として出力される。基本的にはゾーン毎に担当の方がアサインされ、各ゾーン内を最短距離でピッキングを始める。

ピッキング用台車も特別製で、商品を入れるコンテナだけではなく、作業台といろいろボックス(名前は分からないが僕が勝手にそう思っている)を装備している。ここのコンテナのサイズもよく考えられていて、15分〜20分で一回のピッキング作業が完了するようなサイズになっているとのこと。「何で?」と質問すると、「人間が集中出来る時間が15分強だから」と回答され、妙に納得。それだけではなく、ピッキングが終わるとホワイトボードとマグネットを利用した進捗管理表のステータスを変更する。ここでは個人/ゾーンの目標に対する状況を一目で分かるよう可視化しているだけではなく、ピッキングを担当している人たちの「息抜き」と「モチベーション維持」を同時に行っている、という優れもの。またマネージャはどこのゾーンに遅れが出ていて、進行が早いゾーンから人員をすぐ手当できるという全体最適化を非常に簡単かつ単純な手法でクリアしている。すべてのゾーンからのピンキングが終わる(リレー方式で)と出荷処理にまわる。
出荷作業も単純チェックのシステムではなく、多重チェックをクリアしないと出荷扱いにならない仕組みになっている。またこれもブックオフオンラインさんならではの取り組みで、梱包は袋を利用している。これは
・出荷冊数に左右されない
・荷物がコンパクトにできる
・部材の保管スペースを最小化できる
というメリットがあることで採用しているとのこと。ただし、耐久性を上げるため外側をコーティングしたものを利用(これも過去の苦労を経てこうなったらしい)。消費者目線で考えると、配送で使われた段ボールの処理って意外に困ったりします。ということで、ブックオフオンラインさんの選択は非常に良いですね。
最終的には日通さんの物流に乗って、僕らの手元に届くというわけです。

僕自身、予想以上にはまりました。本当はもっと見ていたくらいに・・・・。見学後に次回のmixbeatに向けてミーティングを行ったわけですが、ここでも社長の平山さんからいろいろ話が聞けて非常に密度の濃い2時間半でした。本当にありがとうございました。(これは平山さんにもお話しましたが)最後に、ピッキングを担当しているスタッフの方々は「xxさんのxx」とお客様の名前を言いながら本の収集を行っています。これは中での管理が「コード」ではなく、「名前」で管理されていることに起因します。そのお陰で、スタッフの方々は見えないお客様をお客様として対応している姿が非常に印象的でした。ここは入り口がECなだけで、リアルな商売をしている空気とみんなの向上心の集まりで成り立っている非常にユニークな場所です。