「いつかX橋で」 熊谷達也
- 作者: 熊谷達也
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/11
- メディア: 単行本
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この作品の時代は終戦直後で、きっとX橋周辺はかなり怪しいエリアだったのだろう、と思いながら読み進めていた。東北本線を挟んだ東側は駅のすぐ側にもかかわらず、今でも古い町名が残っているはずである。ブロック単位で町の名前が変わっていたはずである。このストーリーはそのタイトル通り、終戦直後のX橋周辺を舞台にした作品であるが、予想以上に狭い範囲で話が展開されている。今歩いても大した距離でもないので、その頃は人が生活する範囲はものすごく狭かったのかも知れない。物語全般ではそれなりに楽しめたが、最低限仙台の土地勘がないと面白味はわかない気がする。それと終盤のシーンはちょっと安っぽい感じ。ちょっと期待していただけに残念。