「オシムの言葉」 木村元彦

オシムの言葉 (集英社文庫)

オシムの言葉 (集英社文庫)

この本はUKからの帰りの飛行機の中で読んだ。飛行機の中なのに何度も涙を流してしまった。恐らく今年読んだ本の中で一番に値する作品ではないだろうか。
木村氏の本は以前にもストイコビッチを書いたものを読んでおり、その文章力には目を付けていた。この作品は第十六回ミズノスポーツライター賞の最優秀作品を受賞しているとのこと、更に選考委員の一人 村上龍が「最優秀の上に"超”をつけたいくらい〜」と言わしめるぐらいの出来である。
他のビジネス書と同様に読みながら何箇所かに付箋を貼っていた。今、その付箋の箇所をここに書こうと思って見直してみたが、伝えたいことが書けないことに気づいた。つまり、あるフレーズが素晴らしいのではなく、その前のシチュエーションや背景、試合状況などを含めてそのフレーズに意味があるのだ。既に何人もの友人には勧めたこの作品だが、読まないことには決して伝わらない。最上級のお勧め。