「だたマイヨ・ジョーヌのためでなく」 ランス・アームストロング/訳 安次嶺佳子
- 作者: ランス・アームストロング,安次嶺佳子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/06/13
- メディア: 文庫
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中でも一番印象的だったのは以下の文章。ランスの意志の強さ、真っ直ぐさ、そして彼の哲学を表現した一文である。
僕は何を信じているのだろう。僕はあまり祈ったことはない。強く希望したり、強く願ったりしたことはあったけれど、祈りはしなかった。子供のころに、宗教に関しては疑問を抱くようになっていたが、いくつかはっきりとした信念をもっている。簡単に言えば、僕は、自分が良い人間になる責任があると信じているし、勇敢で正直で勤勉で高潔な人間になろうと努力もしてきた。その上、家族にやさしく、友人に誠実なら、そして社会にお返しをし、嘘をついたりだましたり盗んだりしていないなら、それで十分だと思った。もし世の終わりに裁かれるなら、僕が本物の人生を生きてきたかどうかで判断してほしい。ある書物を信じているかどうかや、洗礼を受けているかどうかではなく。もし本当に「神」がいるなら、僕の人生の終わりに、「でもお前はクリスチャンではなかったではないか。だから地獄へ行くのだ」なんていうことは言ってほしくない。もしそう言われたら、僕は答える。「どうぞご勝手に」