「Presents」 角田光代/松尾たいこ

Presents

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12編の物語はどれも良かった。ちょっとした贅沢を言えば、絵よりも写真の方が良かったかな(松尾さんには失礼ですが)。プレゼントは必ずしもモノではない。#1の「名前」は正しくそうである。そういえば僕も小学生の頃、親になぜこの名前にしたのか聞いた記憶がある。答えははぐらかされ、未だに答えは分からない。自分の子供の名前は結構考えたので、いつかその答えを話す時が来るだろう(ちょっと楽しみ)。
#2のランドセルも考えさせられた作品。これを持っていれば何でもできると思っていた子供時代。次第に現実を理解し始め、儚い夢となる。あの頃、すごく大きな物体と思っていたものが、今見ると非常に小さく感じることがある。絶対的なサイズの問題だけでなく、心というか気持ちのサイズがあるのかも知れない。普段忘れている気持ちで出会いたいと思うならご一読を。