「魔物」 大沢在昌

魔物〈上〉

魔物〈上〉

魔物 下

魔物 下

新宿鮫シリーズに登場した塔下氏が登場する作品。主役ではなく、あくまでもサブキャラで。
作品としては、最初の段階で最後のシーンが想定できてしまうくらいシンプルなものであるが、幅広い人たちに楽しんでもらうことを考えると良いさじ加減な気がする。薬物、宗教、民俗といった要素を織り交ぜながら、あまり深入りしない。
敢えて苦言を書くとすれば、上下巻の二冊にするほどのボリュームでないこと。でも、きっと商売的に必要だったのでしょう。それからもう少し、主人公の大塚とジャンナのバックグランドやエピソードを加えた方が厚みが出たのはないか。5点満点としたら、3.5点かな。