「もしも、私があなただったら」 白石一文
- 作者: 白石一文
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/07/10
- メディア: 文庫
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物語は主人公 藤川啓吾の腰痛シーンから始まる。何もこんなスタートでなくても・・・・思いながら、読み終えてみるとあるシーンの伏線のために必要だったのね、と感じる。東京でのサラリーマン生活にピリオドを打ち、故郷の博多に帰ってスコッチ・バーをオープンする。小説の中の話であるが、東京でもこの手のバーは運営していくのは難しいと感じる。相手がマニアックな部類に入る人たちなので、オフィシャルボトルでは満足せず、珍しいボトルを仕入れたところで数をさばけるわけでもなく・・・。まあ、固定費が最低限の条件でないと難しいでしょう。物語は親友の奥さん(それもかつて好きだった)が博多まで訪ねてくるところから流れが出来はじめ、いくつかの出来事とその心の動きが中心に描かれている。最後の部分に書かれているが、人を信じ切るのは難しい。愛する人であっても。