「目覚めよと彼の呼ぶ声がする」 石田衣良

目覚めよと彼の呼ぶ声がする

目覚めよと彼の呼ぶ声がする

また石田衣良のエッセイを手に取ってしまった。元々コピーライターだったからか、読書量が桁違いだからか分からないが彼が紡ぎ出す言葉は本当に洒落ている(個人的には竹内まりやの詩に近いと思っている)。それにこの装丁が良い。エッセイに書いているように、良く本を読み、良く音楽を聴き、良く映画を観る、というのが一枚の写真に表現されている。
「秋の終わりの銀座の空」にこんな一文が。
東京では駅ひとつ移動するだけで、街の様子は別な地方にでもきてしまったように変貌する。例えばかんだと東京、目白と池袋、鶯谷と上野。
はい、僕が勤めている会社は目黒と五反田の間にあり、全く別の形相です。とはいえ、最近の山手線各駅はそれぞれが再開発され、どこでもターミナルビルが乱立し、「らしさ」が薄れつつあります。そんな中、五反田は頑張っている気がする。