「私という運命について」 白石一文

私という運命について

私という運命について

読みながら何度も泣きました。運命的な出会いは必ずしも会ってからゴールまで平坦な道ではなく、時には遠回りして到達することもある。この話の中に登場するシーンとして、主人公が手紙を読むシーンがあり、その4通が心を打ちます。未来を予感した康の母、佐智子。既に死を覚悟していた沙織。そして亜紀と康のやり取り。物語はこの4通の手紙のための準備でしかない。そしてラストシーン。亡くなった康が約束通りに馬の姿で亜紀にメッセージを届ける。こんな上等の物語を読むことが出来たことに感謝。