「心に龍をちりばめて」 白石一文
- 作者: 白石一文
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/10
- メディア: 単行本
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小さい頃の記憶は自分に都合が良いように解釈されていて、その後の出来事で記憶の間違いに気付いていく。主人公の美帆は誰からも羨ましがられる美貌を持ちながら、小さい頃の心の傷からその美貌を指摘されると過剰に反応し、目の前で自殺した(と思っている)母親の姿がトラウマになって、自分自身が母親になることに拒絶反応をする。美帆以外の人物が持つ心の傷とそれをどう消化するか、読みながら「納得」と「思考」を繰り返しながら最後のページを閉じる。もう少し白石一文を読んでみよう。