「阿川佐和子の会えばなるほど この人に会いたい6 阿川佐和子

結構、阿川佐和子はお気に入りの部類である。文章だけではなく、TVで見る表情を含めてお気に入り。特にこのシリーズは毎回写真入りで、その表情がすごくいい。今回の19人もピックアップされた19人だけあって、どれも甲乙つけ難いぐらいの内容。そんな中でも特に良かったのは、角川春樹と南淵明宏。角川春樹との対談では、完全に角川春樹の世界が展開され、この人は芸術家なのがよく分かる。ただし、社会的モノサシでは社会適応力が低いのかも知れないが・・・・。
南淵明宏は有名な心臓外科医であるが、それでも医者と患者は対等で、お互いの信頼関係の上でしか成り立たない、という考え方や自治体や大きな病院は各科の医師のアサインをよく考えるべき、という部分には大いに賛成である。医者は確かに特別な職業かも知れないが、サービス業であるという視点で見れば他の職業と同様、顧客(患者)視点で考えるべきだし、技術者という点で考えても一度取った資格は一生権利を保持できる、という点でも完全の余地が残されている点だろう。
日本国内を見れば、高齢者がまだまだ増加するという課題と少子化の一因となっている小児科の医師不足(*医師が不足しているのではなく、必要な分野に必要な医師の数が足りない)など課題は山積みであるが、南淵氏のような医師の活躍が全体の活性化になることを期待している。