「明日この手を放しても」 桂望実

明日この手を放しても

明日この手を放しても

「県庁の星」を書いた作家で、突然視力を失ってしまった女性とその女性を妹に持つ兄の気持ちの変動を時系列的に物語が進む。で、結局何だったの?、というのが正直な気持ち。個々の設定は結構細かいのに全体でどうしたいのかが全く伝わってこない。他の作品を読んだ時に「結構いいじゃん」と思ったので手にしたが、イマイチでした。これって作家だけの問題じゃなく、出す方も気にしなければいけない点だと思う。作家は作品として書いているかも知れないが、出版社は商品を出すわけなので手にする顧客にこう思われては意味がないのではないだろうか。作家自身は結構、力があるので、後々のことを考えるともったいない。
自分自身に置き換えてみると、「やっつけ仕事はやめよう」という感じ、反面教師的な一冊でした。