「テロリストのパラソル」 藤原伊織

テロリストのパラソル (講談社文庫)

テロリストのパラソル (講談社文庫)

自分のblogを読み返してみて藤原伊織の作品が一つも無いことに気付いた。それはそうである。過去にすべての作品を読んでしまったいるのだから。一周忌というわけではないが、藤原作品を連続で書いてみたい。
この作品が藤原伊織をスターダムにのし上げた作品で、乱歩賞と直木賞を同一作品でW受賞している。乱歩賞はプロの作家は受賞出来ないので、如何にすごいことかは想像に難しくない。ちなみに同タイミングの候補作の一つは服部真澄の「龍の契り」である。藤原作品全般に言えることだが、人物の描き方が本当にうまい。結果、どんな人が読んでも同じキャラクターにはブレが生じない。それを会話で作っていく。おそらく最初の50頁を読んだら、最後まで読みたくなるでしょう。そして「ホットドッグ」を食べたくなる。主人公は島村だが、浅井の役割が大きい。二人の信頼関係は他の作品で登場する。藤原ワールドを覗いてみませんか。