「恋愛函数」 北川歩実

恋愛函数 (光文社文庫)

恋愛函数 (光文社文庫)

初めて読む作家さんの作品である。好みとしては微妙です。ストーリーとしては結婚相談所(小説の中ではブライダル情報サービスと言っている)が特長の一つとして掲げている「GP診断」に絡んで殺人事件が起きる、というもの。GP診断は簡単なテストを元に指数化し、相手との相性を数値化するもので、データマイニングを利用したアプローチである。この結婚相談所もこのGP診断に依存しているわけではないが、相手をチョイスする一つとしては大きく利用しているようである。
確かにこのような方法は出来ると思われ(先にどのようなタイプ、組み合わせ、相性などのデータが必要であるが)、着眼点としては面白いのだが内容がちょっと今ひとつである。
・ページ数が多い割に、無駄が多い
・細切れのシーンが多く、流れが掴みにくい
・「結局何だったの」という感じのところが多い(ラストも)
という印象を受けた。プロットの段階でもこの結果は見えていたのではないだろうか。