「魔女の盟約」 大沢在昌

魔女の盟約

魔女の盟約

「魔女の笑窪」の続編。ボリュームとしては結構な量だったが、あっと言う間に読み切ってしまった。新宿鮫 風化水脈ぐらいから小説の内容に過去の歴史など調査結果に基づく表現が多くなり、そこに作者の思いや考え方を登場人物を通してうまく表現されている。「魔女の盟約」では中国や韓国について、あるいは日本、日本人の特性などを大沢氏の感じ方を含めて小説に盛り込まれている。登場人物のキャラクター作りのための会話と作者の考え方を織り交ぜると、得てして散漫な文章になる可能性があるが、そこはベテランとしての力量が伺える。

個人的にはそろそろ佐久間公に会いたい気がする。