「DIALOG IN THE DARK」を体験したきた

DIALOG IN THE DARK

DIALOG IN THE DARK
DIALOG IN THE DARK
会社の研修の一環として「DIALOG IN THE DARK」を体験したきた。DIDはmixbeatのワークショップでも一度話題に上がったので内容は知っていた。パーティを組んで暗闇の中を探険するエンターテイメントである。この暗闇はほぼ体験したことがないレベルの暗闇だと思う。
時間が来て、まず案内されるのは暗闇の世界であれば「梅」級の場所。ここでアテンドのヒデちゃん(僕らのパーティを担当してくれたアテンドの方)と対面し、ルールの説明や少し暗闇に慣れることから始まる。カーテンの奥には更なる闇が待ち構えている。みんな視覚障害者が使う杖を手に持っていよいよ暗闇の世界に突入する。
まず感じたのは「本当に見えない」こと。冗談ではなく、自分自身の手すら見えない。当然、一緒のパーティのメンバーなどは見えるはずもなく、声と気配だけが頼りになる。中はいろいろな木や施設がある。橋があったり、農家があったり、水が流れていたりする。木が生い茂っている(見えなくても手で触りながらそのボリュームは理解できる)下には、枯れ葉があり、靴を通して感じる感覚でもその感触は確実に伝わってくる。小さな川には丸太橋が掛けられていて(手すりもなし)、前の人が後ろに人に教えながらパーティは前進していく。途中、ヒデちゃん主催のゲームをやった。通常であれば非常に単純な「カウントアップ」。順番を決めずに、それぞれの人が数字を発して、「21」までお互いが被らないように進めていく。ただし、相手の表情は全く見えないので気配と間だけで進める必要がある。が、非常に珍しいことらしいが僕らは1回でパス。悔しがるヒデちゃんは「カウントダウン」を提案。残念ながら、こちらも僕らはノーミスで1回でクリア。本当に不思議なぐらいに間が取れた。きっと普段、仕事でアドリブが多いお陰かも知れない。
途中、農家があり、縁側で靴を脱いで畳の部屋でくつろいだ。ちゃぶ台の上にはいろいろな野菜やモノが置かれており、お互いに「大根だ〜」、「電話がある」などと子供のようなやり取りが続く。この頃になると見えなくてもそれが何かは見るのと同じぐらいに分かるようになるものである。最後はカフェ(もちろん暗闇の中で)で飲み物をいただく。別のスタッフの方がオーダーを聞き、カウンターの中でオーダーされたものを次々に準備して各人に届ける。すべて暗闇の中なのに、全く普通のカフェのようなスピードでこなしていく。これは本当に不思議だった。
何か「気づき」をとか、「この経験を何かに生かす」などを考えずに体験すると楽しめると思う。本来、エンターテイメントであって、それ以上でもそれ以下でもない。変に期待して裏切られた気持ちになるとしたら、それはDIDの問題ではなく、貴方自身の問題だと思った方がいい。