"勝ち逃げの女王: 君たちに明日はない4" (垣根 涼介) 「君たちに明日はない」シリーズ最新刊は過去最高の出来だ。休養明け最初の作品である前作「張り込み姫」も満足度は高かったけど、この「勝ち逃げの女王」は著者の垣根涼介氏の「思い」がストレートに出…
"悪意 (講談社文庫)" (東野 圭吾) 「xxxの記録」と書かれていると、見ただけでなんとなくそこに書かれている内容は「事実」である、そう思ってしまうことが多いのは僕に限った話ではないだろう。単に文章ではなく、その文章を「記録」という形式で書かれたも…
3月からお世話になっている経堂のPAX Coworkingにて2回目のGTDワークショップを開催しました。前回は平日の夜(4/26)だったので、「なかなか平日には参加できない」との声もあり、再度週末バージョンを行った次第。当然だけど、前回のワークショップのフィ…
"明日からつかえるシンプル統計学 〜身近な事例でするする身につく最低限の知識とコツ (現場の統計学)" (柏木 吉基) 「統計」という響きは多くの人の顔を曇らせ、その一部の人からはかなり強い拒絶反応すら受けることがある。大学の時の統計学の授業でも多く…
小学生の頃、AMラジオで聞いた「ラジオドラマ」が今でも印象に残ってる。当然ながら映像がないので、声優さんのセリフの言い回し、語り手の口調、そして効果音を聞きながら頭の中にそのシーンをイメージした。放送波の多チャンネル化やDVDやブルーレイなど…
"電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。" (日垣 隆) 先にお知らせしておきますね。この本は毒性が強いので耐性がない人にはおすすめしません。どんな耐性が必要かというと、 書かれている内容を自分で吟味して情報の取捨選択が自分でで…
"スタア・バーへ、ようこそ (文春文庫PLUS)" (岸 久) 僕の中では「BAR」という響きには特別なものを感じる。思春期に片岡義男の小説やエッセイにいかれていたからかも知れない。そのせいか、BARと呼ばれる場所には学生の頃から足を運んでいるのでかれこれ四…
夜は東北沢の「現代HEIGHTS」で開催されている宮崎さんの写真展にお邪魔した。普段の姿は地元の飲み屋でご一緒し、その時には仕事の話はほとんどなく、おっさん二人が他愛もない話で盛り上がっている、そんな風景。なので、じっくりと宮崎さんの作品を見ら…
"楽園のカンヴァス" (原田 マハ) 手元にある第5刷の帯には絶賛の言葉が並べられている。「今年度のベスト級」や「こんな絵画ミステリーは初めてだ!」と美辞麗句のオンパレード。この本を読み終わった今の気持ちは、「これらの言葉に偽りはない」と。 著者の…
"張り込み姫: 君たちに明日はない3 (新潮文庫)" (垣根 涼介) まずこの本を読む人は先に既刊の垣根作品である『君たちに明日はない』と『借金取りの王子』を読んでから読み始めて欲しい。過去の作品の登場人物が今回の作品に登場することもあるが、それ以上…
"人生教習所 (2011-09-30T00:00:00.000)" (垣根 涼介) 垣根諒介の作品には作品の面白さだけではなく、作品に埋め込まれた彼の哲学がある。 それは彼が旅行代理店時代に多くの国々を見てきたことで、客観的な目線でこの日本を見て感じたことを彼が綴る言葉で…
"インサイド・アップル" (アダム・ラシンスキー) Appleの製品やスティーブ・ジョブズについて書かれた書籍や文章はたくさんあるが、Appleという組織について情報はほとんど目にしたことがない。表面的に判断できる株式の時価総額を除けば、ジョブズの言葉以…
"北風の吹く夜には" (ダニエル グラッタウアー) この書籍は『本が好き!』から献本いただきました。 メールで感情を伝えるのは難しいよね。特に恋愛感情は。キーボードから叩きながらたくさんの形容詞を駆使しても心の微妙なニュアンスはなかなか表現できな…
"六つの手掛り (双葉文庫)" (乾 くるみ) 「ミステリー」に何を期待するか・・・トリックか、それともストーリーのロジックか。そこに正解があるわけではなく、それは読者それぞれの好みに左右されるポイントだろう。更にそれらの仕掛けが精巧に埋め込まれて…
"007 白紙委任状" (ジェフリー・ディーヴァー) 『007』を聞けば、おそらく多くの人は映画007シリーズのジェームズ・ボンドをイメージすることだろう。さて、その中で何人の人がイアン・フレミングの原作を読んだことがあるだろうか。なんでこんなことを書…
"就活に「日経」はいらない" (成毛 眞) タイトルはキャッチーだけど、内容はいつもながらの"成毛節"炸裂。就活を通して自分自身の未来をどう考えるかが大事であって、「日経は必須」的が安易な考え方を否定しているに過ぎない。成毛さんの言葉を借りれば、 …
"モップの魔女は呪文を知ってる (実業之日本社文庫)" (近藤 史恵) 近藤史恵さんって作家として器用なひとだなあ、って思う。だって、たくさんのシリーズものを書きながら、そのシリーズのキャラを進化させてる。今回の『モップの魔女は呪文を知ってる』はタ…
前回の大沢在昌さんの読書会に続いて今回は石田衣良さんの読書会に参加してみた。どちらも抽選だったけど、きっと平日の夜のイベントということもあって申込する人が少なかったのでしょう。お陰でどちらのイベントにも参加でき、僕としては十二分に満喫でき…
"ドラゴン・ティアーズ 龍涙―池袋ウエストゲートパーク〈9〉 (文春文庫)" (石田 衣良) ふと『池袋ウエストゲートパーク』の魅力ってなんなんだろう・・・と考えてしまった。今回の作品で九作目になるこの人気シリーズは発売されれば何の疑いもなく手に取り、…
"デイヴィッド・オグルヴィ 広告を変えた男" (ケネス・ローマン, Kenneth Roman) この書籍は『本が好き!』から献本いただきました。 朝起きてTVのスイッチを押してもPCの電源をONにしても最初に押し寄せるのは「広告」である。電車に乗ってふと目を上げれば…
"サイゼリヤ革命―世界中どこにもない“本物”のレストランチェーン誕生秘話" (山口芳生) 先にこれは書いておいた方がいいかなあ。本当のことをいうと、この作品は間違って買っちゃったんだよね。「そんなこと・・・」といわれるかも知れないけど、電子書籍だと…
"あなたに、大切な香りの記憶はありますか? (文春文庫)" (阿川 佐和子, 角田 光代, 高樹 のぶ子, 熊谷 達也, 重松 清, 小池 真理子, 石田 衣良, 朱川 湊人) 記憶は案外いい加減なもので過去の出来事は意外と自分に都合が良いように格納されていることが多い…
"道徳不要 俺ひとり (幻冬舎文庫)" (白川 道) 売上至上主義、効率重視な世知辛い世の中だからこそ憧れる白川道の世界。ヒリヒリするような毎日を過ごしながらも一本、筋が通ったような生き方。そんな世界が繰り広げられるのが彼の小説の特徴である。しかし、…
今回はどんなテイストで書こうかちょっと悩んでる。前回のレビューは完全に本のテイストの延長だったので、今回同じように書くと結構堅めになってしまう気がする。そういう意味では「意識の変温動物」なのかも知れない。こんなことを書いているとまた前置き…
"テレビは余命7年" (指南役) この書籍は『本が好き!』から献本いただきました。 そう、共感。作り手が志を持って、本気で取り組んだものは、必ずや視聴者の心に届く。 視聴率より志。いや、志のある作品は、そのうち視聴率もついてくる。今はソーシャルメ…
夏前に断捨離でなにも感じない服を大量に処分したんだよね。結構な量で、そのほとんどはユニクロの服だった。その山を見た時に、「これから服を買う時は自分の心が感じないものは買わないようにしよう」と誓った。その後、最初に買った服はGAPなんだけど、…
シュレッダーって大事な書類や機密書類を裁断するものって思っていませんか? 現象だけ捉えればそうなんだけど、実は心が整理されるというか、ストレス解消にもなるんですよ。20数年前にシュレッダーを売っている頃に使っていたトークの一つ。あ、これって…
僕の人生の半分以上聴き続けているアーティストが何人かいる。杏里もそんな一人。『オリビアを聴きながら』や『CAT’S EYE 』というメガヒットがあるけど、やっぱり好きなのは作詞:吉元由美 作曲:ANRIによる作品たち。詞が、曲が、声が・・・ではなくて、…
"仕事は「捨てメモ」でうまくいく" (相葉光輝) いつもお世話になっている『本が好き!』からのメールに「書評コンテスト」なるものが書かれていて、思わず脊髄反射で購入した。中身も目次も一切見ずに・・・。結果は、超イマイチだった。一つは役に立つこと…
"本の現場―本はどう生まれ、だれに読まれているか" (永江 朗) 毎日のように読んでいる本、でもその本を取り巻く環境については知っているようであまり知らない。まあ、知らなくても本を読んで楽しむことはできるし、好きな本屋さんに足を運べばいくらでも新…